7.16.2009

Niwa

実家の庭の木々が伐採されてから一週間程経った。
母親が適当に植木屋を呼んだら、所謂植木職人が庭をデザインするタイプのやつじゃなしに、若いバイトのお兄ちゃんみたいなんが3人くらい来て、庭を伐採するタイプのやつだった。だから、以前は荒々しく、神々しく緑で生い茂っていた庭も、まさに「夢のあと」と言わんばかりにはげ上がってしまった。

昔からの近所の友人達は、アイデンティティが失われたと口々に言った。僕自身のアイデンティティはもとより、近隣住民のアイデンティティでさえもあったのだ、あの荒々しく、手入れの行き届いてない庭は。
僕の家の前を毎日通る人々は、言ってみれば急に坊主頭にしたやんちゃを学校で発見した時のような顔で「さっぱりしたねぇ」なんて言う。そして僕も、坊主にしたやんちゃのごとく「えへへー」と答える。

庭の生態系にとっては大ダメージだったらしく、あきらかに家の中に侵入してくる蟻の数が突然増え始めた。
変わったことはその位なんだけど、少し寂しさも残る。
周りはしょうもない奇麗な建て売り住宅と、取って付けたようなしょうもない中庭がついてる、みたいな、そんなんばっかりになっている。その中で、ジャングルのように、無法地帯的にほったらかされてる伸び放題のあの庭は、この地域には存在価値があったはずだったんだけどな。もう再生はしないだろうけど、またどっかの山から土ごと持ってきてやろうと思っている。おじいちゃんがしてたように。

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