8.05.2011

Nakadas

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友達のモチナガ君と、なんととなく祭りが終わった後の現場付近を散歩していた。
中学生から成人までの男女が入り乱れて道路の周りを埋め尽くしていて、その前を見せびらかすように、大きな音を出すバイクが何度も何度も、蛇行しながら走り抜けていた。
その光景を、正確には大勢の若い男女の前を走るバイクを乗りこなしてる青年を見ながら、モチナガ君は「俺、こういうのに憧れている」と呟いた。

今年で27歳になるモチナガ君は、1時間以上の映画は見れないし、夜はなるべく21:00前後に眠らないといけないし、よく僕と金を貸したとか貸してないとかで揉めている。

暴走族を見て「憧れる」と言った彼に、僕は「モッサンは、力(ちから)が欲しいんじゃない?」と聞いてみた。彼は僕の質問を受けてコンマ2秒くらいの間隔で「うん」と返答した。

そのモチナガ君が、昨日その他の友人達と集まってホルモンを囲んでいた最中に、「中出ししてるから、いつ子供ができてもおかしくない状況で、たとえそうなっても、自分はより良い生活が送れるイメージがついている」というような話をしていた。

僕はその話を聞いた時、直感的に、良くない想像しかできなかったので、色々と理由を考えて彼の思想を正そうと試みた。
僕がモチナガ君の息子なら、父親は1時間以上の映画を見れる人であって欲しいし、夜は21:00以降も起きていて欲しいし、友達と金の貸し借りで揉めたしない人であって欲しいから。27歳にもなって、暴走族を見ながら「力(ちから)が欲しい」なんて言ってる父親であってほしくない。

なるべくならプロ野球選手か芸術家の父親であって欲しくて、父親がプロ野球選手や芸術家であるアドバンテージを存分に生かせる生活を、子育てを、望む。


そこまで考えたけど、モチナガ君が子孫を残そうとしているのであれば(もちろん交際相手の希望でもあるのは言うまでもなく)、別にそれはそれでいいのではないのだろうか、という結論に至った。子供を生みたいと言ってるのに、それを否定することは、とんでもなく罪なことなのかもしれない、という怖さを感じ取ったのだ。自分の生活や経験だけを基準にして、他人の行いを否定することの怖さに近いかもしれない。

モチナガ君は、作業療法やを積極的に受け、これから職業訓練を受けようとしている。前向きなのだ。
前向きな人を否定してどうするんだバカな自分めと、後悔した。


でも、もしも近い将来、モチナガ君が子供を作ったけど、途中でケツ割って投げ出すようなことがあれば、それはどんな理由であれ、僕はモチナガ君を半殺しにすることになるだろう。
僕自身もたくさんの事を、途中でケツ割って投げ出してきたけど、さすがに子供を生んでケツ割ったら、その先には半殺しもしくは死と同等の厳罰が下されなければならない、となんとなく思ってる。たぶん国家はモチナガ君に罰を与えないだろうから、僕が与えるしかない。

モチナガ君から「受精したよ」の一報が聞けることを心待ちにしている。

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